カラーセラピーの目的と原理(哲学と心理学について)

1.私とは何者か?人生の目的と意味は何か?

TCカラーセラピーの目的は、大きく分けると2つあります。

1つは、色彩を使って「私とは何者か?」「人生の目的と意味は何か?」 など、哲学的に自己探求して行くことです。

オレンジ色のカーテンは、あたたかい印象を与えますが、
ブルーのカーテンは、爽やかで落ち着きを与えます。
このように、色は、気分を変えたり、心に働きかける効果があります。

また、白は神を象徴し、神聖な場で使われる色ですが、黒は死者を送り出す時に使われる色。
というように、色には様々な象徴性があり、歴史や文化、神話や思想の中に使われて来ました。

色の持つ効果や象徴性に、心を重ねながら、
「私とは何者なのか?」
「私は何のために生まれて来たのか?」
「私の人生とは何なのか?」
などについて探究して行く学問がカラーセラピーです。

「人生とは何か」「心とは何か」「人間は何のために生まれて来るのか」など、
観て確かめたり検証したりできない事柄について考える学問を形而上学と言い、アリストテレスが古代ギリシャ時代に書に著しました。

アリストテレスは、色についても論じており、後継者たちによって、書にも著されています。

では、実際にどのようにして、自己探求するのでしょうか?

例えば、レッドには、「情熱」「活力」「積極性」「行動」などの意味があります。
では、もしあなたがレッドを選んだとしたら、あなたは、「情熱的で活力があり、積極性があって行動的な人」なのでしょうか?

その答えは、あなたの中にあります。

あなたは、「情熱的で活力があり、積極性があって行動的な人ですか?」
と、質問されたら、あなたは心の中で何とつぶやくでしょうか?

「え~。バレちゃった~?全くその通りよ~」と思うのか、それとも・・・
「いや、むしろもっと活力が欲しいと思っているし、行動力が無いのが悩みなの~」
とつぶやいてるかもしれませんね。

このように、カラーセラピーは、レッドを選んだから、
「情熱的で活力があり、積極性があって行動的な人」と、決めつけるのではなく、
色の意味を使って質問をしたり、受容共感しながら、
クライアントが自分と向き合うサポートを行うものなのです。

そして、「私とは何者なのか?」「私の人生とは何なのか?」などについて、
心に問いて行きます。

2.イマジネーション:自分の中にある答えに気づく

カラーセラピーの目的の2つ目は、心理学的なアプローチ(投影の心理学)を使って悩みや課題を向き合う手助けです。

なぜ、色で自分が分かるのか?答えが導かれるのか?
ここで、少し原理をお伝えします。

色の意味を使った質問は、潜在意識に問いかけます。

例えば、NLP(神経言語プログラミング)に、「ミルトンモデル」という言語モデルがあります。

「ミルトンモデル」とは、天才的な催眠療法家として活躍した心理学者のミルトン・エリクソンの言葉の使い方をモデル化したものです。

例えば、「最近、がんばってるね」と声を掛けられたとします。
その時、何をがんばているのか具体的に伝えていないにも関わらず、
言われた方は、なんとなく「ありがとう」と返したりすると思います。

つまり、具体的な内容があいまいにされている表現は、
聞き手の解釈を許容するので、あいまいな表現は無意識に、
「自分にとって都合の良い受け取り方」をします。

その為、相手の潜在意識に無意識に抵抗なく届けることができます。

例えば、TCカラーセラピーのワークで「ハイヤーセルフとつながるワーク」というのがあります。
ハイヤーセルフとつながるワークは、「過去ー現在ー未来」の3つのポジション。
つまり、時系列で自分と向き合うセッションです。

例えば、「過去」のポジションにレッドが置かれていた場合、
「過去に、情熱や活力、積極性や行動力を表す色を選びましたね」と伝えるだけで、クライアントは潜在意識にアクセスをして、それを言語化しようとします。

つまり、イマジネーションを働かせる手助けです。
イマジネーションとは、心の中にあるイメージを形作るための能力です。
セルフイメージの再構築や、未来の創造などあいまいなものに意味を与え、創造する能力でもあります。

私たちカラーセラピストは、クライアントに寄り添い、その言語化を手伝います。
先ほど、「自分にとって都合の良い受け取り方」と言いましたが、
この場合、それが、クライアントが求めていた「答え」、あるいは「問題を解く鍵」となる可能性があります。

カラーセラピーは、クライアントに、点と点が線につながるような感覚や、
閃きやアイディア、クリエイティビティを開かせる手助けをします。

3.カラーセラピーにカウンセリングの技法を用いる

カラーセラピーで色の意味を使って言葉かけをした後は、心理カウンセラーやコーチと同じように、
カール・ロジャーズの考え方をベースに、カウンセリングを行うのが望ましいでしょう。

  • カウンセリングの主役はクライアントである
  • 非指示的である 方向性や意思決定などはクライアントが行い、
    解釈や分析をしてセラピストが指示的に関わったりしない。
  • クライアントの自己概念と経験が一致している部分に注目する 今までの経験を肯定的に注目し、一致するところを増やして行く。
    良い悪いではなく「そういう経験をしたのですね」と受け止める。
  • 受容と共感を通じてクライアントが成長可能な環境を提供する
  • 無条件の肯定的関心 クライアントに前提条件をつけず、「その時はそう考えたんだね」と聞き、
    今後どんな未来になるのか、どう良くなって行くのかに関心を持つ。

このように行うことで、カラーセラピーは、
「私とは何者なのか?」「私の人生とは何なのか?」の探究だけでなく、

メンタルヘルスとして活用することができます。
カラーセラピストは、クライアントを癒したり、治したりするのではなく寄り添いながら、
クライアントの持つ力が発揮されるようサポートします。